CREPOS | スペシャルクリエーター ajico

ajico2013/05/09 更新

インタビュー

インタビュー

2013/05/01 文:中尾
イラストを描き始めたのはいつ頃ですか?

らくがきは幼い頃からよく描いていましたが、ちゃんと1枚の絵を完成させるようになったのは中学終わりの頃です。ちょうどインターネットに触れた頃で「イラストを描いて発表している方がこんなにいるんだ!」と知って影響されたんだと思います。

――ああ、よいですね。最初(中学の終わりの頃)って、いきなりPCで描きましたか?それとも紙に描きましたか?

最初(ペンタブレットを手に入れるまで)はひたすら紙に描いていました。カラーでは色鉛筆・クレヨン・コピックなど、モノクロではつけペンやミリペンでひたすらガリガリと。

イラストレーターになろう!と思ったのは何がきっかけですか?

いつか絵を仕事にできたら…とはずっと思っていましたが、現実重視でまずは別の職に就く、ということは専門学校に入った時に決めていました。 デザイナーとしてデザイン会社に入社して社内でちょこちょこイラストも描いていましたが、 個人のwebサイトを見てくださった出版社からご依頼があったことがきっかけでイラストのお仕事をうけるようになりました。

――イラストレーターになるためにまずデザインから入ったのは、どういう理由だったのでしょうか?

卒業後すぐにでも働きたいという気持ちが強かったので、上記の通りですが現実重視で…。 イラストだけじゃなく「つくる」事が好きでデザインを学びたいという気持ちが強かったというのもあります。学生時代の恩師にデザイナーへの可能性と魅力を教わり背中を押してもらえたことも大きいです。

――ものすごく同意です!差支えなければ、恩師に教わった、デザイナーへの可能性と魅力を、もう少し詳しく教えていただいてもよいでしょうか?

先生からのちょっとしたアドバイスでガラッとデザインの印象が変わったり、レイアウトがきれいにまとまったりするのがとても楽しくて!たとえば点を3ミリ動かすだけで広がるようなデザインの世界を魅力的に感じることができたのも大きいです。

制作するときは、何を使用していますか?

PCではPhotoshop、Illustrator
アナログでは主に色鉛筆、アクリルを使用しています。描きたいもの、つくりたい作品でツールを使い分けています。

――どちらも、ってとても素敵だと思います。デジタルとアナログだと、どちらで描くことが多いですか?

PCではPhotoshop、Illustrator
お仕事上デジタルを使うことが多いですが、展示会では(CGという制約が無い限り)アナログと決めています。アナログで描いている時の匂い・質感・色が好きですね。

――お仕事の場合はデジタルの方が何かと便利ですよね。 あと、感激したのですが、アナログで描く意味はやっぱりあると思っているので、「匂い」ってすごく重要だと思います。 絵の具そのもののにおいだったり、印刷における刷り上がってきたときのインクの匂いだったり。大切ですよね。

五感を使っていると記憶も焼きつくので、描き上がって時間が経った絵でも描いていた当時の感情を思い出せるような気がします。印刷物の匂いも好きです!インクや紙の種類・印刷所によっても違うので画集なども匂いで印象が違ったりするのかな、と思うと面白いです。 五感を使って絵を描く、ということをこれからも大切にしたいです。

制作時に心がけていたり、気をつけているところはどこですか?

ちょっとした「遊び」や「隠れた意味」を取り入れることです。
ちょっぴり違う目線で絵を見た時に「あっ」と思える要素があること。いつも、いたずらを仕掛けるこどものような気持ちでキャンバスに向かっています 笑

――いいですね!それって、見る人のことを意識しているからだと思うのですが、実際、制作する際は意識されていますか?

はい。自分が表現したいものの範囲内で、ですが。この意味に誰か気づくかな?とわくわくしながら描いています!

――そういうところに気がついてもらえるとなんだか救われたような気持ちになりますよね。

そうですね、まるで片想いが両思いになったような感動があります!笑

どんな時にアイデアが浮かびますか?

音楽を聴いていて出てきたイメージや、趣味で撮った写真から…あとは描きたい服や雑貨から連想したり。 外を歩いていて目についたものから膨らませたり…ですかね。笑

――写真は、資料として撮りますか?それとも、本当に無意識にただよいものを撮りますか??

どちらもですね。ちょっとした資料のために外へ出て、途中で素敵なものを見つけて気持ちが趣味に引きずられたり 笑  逆に好きなものを撮りたくて周りを見ている時に「あ、これ使えそう」といつの間にかベクトルが物作りに向いていたりします。 外を歩いていて目についたものから膨らませたり…ですかね。笑

――すごいですね。ちゃんと撮られているのですね!よいカメラをお持ちだったりするのでしょうか?

どちらもですね。使っているのはまだコンパクトデジタルカメラですが、現在一眼レフの為に必死で貯金しています…! 一眼レフを手に入れたらどこに撮りに行こうかな、と想像を膨らませている最中です。

――実際楽しいですよ。ぼくもフィルムの一眼レフを使っていまして、 ご存知と思いますが単焦点のF値が少ないレンズはコンパクトカメラにはない魅力がありますよ~。 ご購入されるときはぜひご検討くださいませ!

やっぱりそれも魅力ですよね。ますます欲しくなってきました!なかなか大きな買い物になりそうなのでじっくり悩んで決めたいと思います。

これから描いていきたいと思うものはありますか?

「物語・背景」を大切にしているので、絵から感情を感じ取って頂けるものを描いていきたいです。

――いいですね~。「第46回CREPOS SELECTION(テーマ:海)」のときにも書かせていただいたのですが、感情が伝わる作品って、本当に好きなのです。

ありがとうございます。感情って面白いですよね。「喜び」でも「悲しみ」でも言葉にしてしまえばひとつですが、人や性別、年齢によって感じ方は様々で、色や匂いや形や感触まで色々あるような気がします。 …あ、絵が描きたくなってきました。笑

この仕事をやっていて良かったと思うことはありますか?。

クライアントの喜ぶ声がきけること、街中で自分が携わったデザイン・イラストを目にしたとき、です。 イラストも描けるデザイナーをさがしてた!って言われると、よし…っとガッツポーズ。デザインもやっていてよかったなあ、と思えます あとは落ち着いた空間で取り組めることですね、自宅勤務なので。リラックスしまくりです。

――街中で見つけた時はうれしいですよね。自分の子どものようなものですからね~。 普段のお仕事は、イラスト以外に、デザインのお仕事もされているのでしょうか?。

はい。イラストを含めたデザインが多いですが、たまにデザインのみのお仕事もあります。 もっともっと勉強しなきゃ!と毎回気合いを入れ直しています。

辛いと思ったことはありますか?

業界柄やっぱり時間に追われる時がしんどいですね… キャパオーバーで半泣きになりながらも仕事自体は楽しいので止まらず手を動かせるのが救いです

――締め切りが重なったりすると大変ですよね。 楽しんでお仕事されているということで、つらいときでもそのような意識に持っていくコツというか工夫はされていたりするのでしょうか?

自分がつくるものを待っている人が居るんだ、と言い聞かせることでしょうか…。 あとこの仕事(イラスト・デザイン)が無くなったら自分でもできる仕事なんて無いよ、ご飯食べられなくなるよ!と追い立てます 笑  これしか無い、ってことは唯一の好きなことでご飯を食べているということですからね。こんな幸せなことってないです。

――けっこう追いつめるのですね笑。 ですがそのギリギリの方が結果よいものができたりするんじゃないかなと思ったりします。

この追いつめすぎるのがいけないと言われることもしばしばなのですが…笑 集中する分良いものが出来ることは確かに多いかもしれません。でも時には一呼吸おいてまた違った目線で見直すことも必要ですよね。 やり込みのオンオフをもう少しうまく使い分けられるようになろうと思います…っ

影響を受けたり、尊敬しているイラストレーターやデザイナーは?

様々なジャンルのクリエイターさんや作品から刺激を受けているので「この方!」と言えないのですが…。 影響というと、これまでに作品を見てくださって感想をくれたすべての方々です。感情・思考を表現することが多いので、絵の見方や受け取り方もひと様々で。 頂いたご感想から新しいイメージが湧いたりして。閲覧してくださるみなさんが先生!絵本作家さんでは荒井良二さんの世界が大好きです。

――閲覧してくださるみなさんが先生って素敵ですね!個人的には、あえて自分で細部まで世界観をすべて決めてしまわない方が、 いろんな方からいろんな解釈が出たりしてとてもよいと思います。

そうですよね!見方によって解釈が違うのってとても面白いです。 見た絵の世界を正ととらえるか負ととらえるかでもその時の感情の違いがわかりますしね。

――そうですね~。確かに、「見せる」ということを考えると、その人の今までの歩みによって、見え方ってきっと変わってくると思うのです。 どういう風に感じ取ってもらえるかと考えながら描くのも楽しいですね

そうですよね!見方によって解釈が違うのってとても面白いです。 見た絵の世界を正ととらえるか負ととらえるかでもその時の感情の違いがわかりますしね。

ペンネームの由来を教えてください。

中学生の頃のニックネームです。

――おお!するとけっこう長く使われているのでしょうか?

そうですね。10年近くは使っているかと…。名乗っても呼ばれても違和感無く馴染みのある名前…って思ったら即決でした! よく同名のバンドさんが好きなんですか?と訊かれます。(訊かれるまで存じませんでした…ううすみません)

――10年!長いですね~。実はぼくも世代的(?)に同名のバンドの方を思い浮かべてしまいました。ベンジーさんとUAさんがいるバンドですよね。 ってここ掘り下げるところではないのですが笑、10年も前ともなるとajicoさんの方が先ですよ!?

確かに先ですかね!笑 この呼び名で呼んでくれた友人に感謝です!

これからの夢、目標を教えてください。

絵本・童話の制作、発表に力を入れていきたいと思います。年齢問わず、誰かの心に響き何かを感じてもらえるものを生み出したい。 あとは個展をひらくこと!

――力強い心がけですね!これまで作られた絵本や童話があったりするのでしょうか?ぜひ見てみたいなあと思います。

公開したものは少ないですが、一昨年はじめて絵本を冊子として印刷してみました。小さく拙いものですが、書きたい話を形にできた時の喜びは大きかったです。 webでも、のろのろペースではありますが公開していきたいです。

――PictBoxという絵本サイトもありますのでそちらでも公開してくださいませ~。
最近夢中になっていることは何ですか?

ハンドメイドアクセサリー製作です。イラストをつかった身につけられるもの、 絵の世界と繋がるアクセサリーをつくるのがとても楽しいです。

――ajicoさんのホームページを拝見させていただいたのですが、すっごくかわいいですね。素材の組み合わせだけでなく、 イラストが自然に活かされているところがすごくよいと思います!

ホームページ見てくださったとのこと、ありがとうございます!どんな素材・形式がイラストを生かせるか試せるのが楽しいです。 イラストを使ったアクセサリーを「身につけてもらう」というのは、絵を「見てもらう」のとはまた違った喜びがあってとても楽しいです

――素敵ですね。「見てよい」と「身につけてよい」はまた違いますものね。 「身につけてもらう」にあたって、どんなことを心掛けていますか?

アクセサリーを身につけたその日がわくわくするような…日常に色を添えられるようなものであること。ちょっと「ふつう」とは違っていて、 身につけたものを誰かが見たら思わず「えっ?」って振り向いちゃうような存在であること。

これからイラストレーターになりたい人へ、アドバイスをどうぞ。

えーっと…アドバイスのような大層なことは言えないので 笑 仕事を始めて感じたこと、改めて思ったことです。 作家活動と仕事は別物ということ。 お仕事はクライアントさんと一緒に作り上げるものですのでどれだけ希望を汲んでいいものを作れるかが大切。 デザイナーも同じですが、そのあたりが「思っていたのと違う!」と諦めてしまう人が多いみたいなので… オンではクライアントさん第一、その中にどれだけ自分色を出せるか。好きな絵はオフに思いっきり描いちゃえばいいかなーと。 2つの世界で時間・イラストと絵を使い分けるのも楽しいですよ!

――おっしゃる通りだと思います。 お仕事としては、クライアントさまの意図を汲んだ上でイラストレータやデザイナーとしての提案をして、一緒にものづくりしていくのが理想だと思います。 ただ、自分の作りたいものが作れないと違和感を感じたりする方もいらっしゃるのも事実なので、 ちゃんとオンとオフの切り替えができるajicoさんは、このお仕事に向いているのかなあと思いますよ!

ありがとうございます。今後、オンでもオフでも納得のいくものを作っていけるように頑張りたいと思います!

From Staff

ajicoさんの絵を初めて拝見したとき、バランスのよい作品だなと思ったのでした。すごくイラストイラストしているわけでもなく、かと言って個性が強すぎるわけでもなく、その合間のちょうどよいところに着地しているなあ、と。
今回インタビューをさせていただいて、その理由がデザイナーとして働いていたことがあるからなのかなあと思いました。 このバランス感覚って意外と難しくて、よく言われるデザインとアートの違いみたいな話にもなるのですが、ajicoさんは、ちゃんと個性を残しながらイラストとして成立しているように思います。
それって何なのかなと考えてみると、ajicoさんがおっしゃる「見せること」を意識してされているからなのかなあと思いました。もちろん、画風が占める割合もあるのですが、それ以上に与えられた題材をどんな風に落とし込めば見る人の感情を動かすことができるだろうとかそう言ったことをものすごく考えているのだと思います。
個人的には作られている雑貨の実物をぜひ見てみたいので、いつか拝見できる日を楽しみにしておきます。(中尾)

Works

※画像クリックで拡大表示。

「眼前の世界」
第46回CREPOS SELECTION
(テーマ:海)

最優秀賞

「メロウ」

「研究テーマ:怠惰なあの娘の教育法」

「愛し君へ」

「トワイライトゾーン」

「読書の秋…?」

「ヒメコイ」

「移り気」

「ラピスラズリの泪」

Tools

Photoshop Elements、CS5
Illustrator
アクリルガッシュ
色鉛筆

Recommended Books

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アクリルガッシュ
色鉛筆

Recommended Musics

「SUEMITSU & THE SUEMITH」
「→Pia-no-jaC←」
「Def Tech」
「capsule」
「RAM RIDER」
「Owl City」

Recommended Movies

「天使にラブソングを」

Profile

ajico
イラストレーター/グラフィックデザイナー
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何かを感じてもらえる不思議な雰囲気や、思わずきゅんとする世界観を目指しています。