CREPOS | スペシャルクリエイターももろ

ももろ2010/02/16 更新

インタビュー

インタビュー

2010/02/01 文:中尾
イラストを描き始めたのはいつ頃ですか?

いつだろう…幼稚園ではみんながお姫様描いているときに ジャングル大帝レオを描いていた記憶があります(笑)中高の授業中にキャラクターを作ったり。 美術部にも所属していたんですが年に一回ずつの学園祭、体育祭にMAX力を発揮してベニヤ板や 模造紙に巨大な恐竜を描いたり四聖獣を描いていましたが、あとは喋ってお茶を飲んでいました(笑)
PCで描こうと思ったのが大学2年生くらい、落描きでなく丹精こめて描こうと思ったのは今年の夏くらいからです。

――すごいですね。なんだかもう、世界ができていますよね。 ジャングル大帝レオを描く幼稚園児はそうそういないと思いますよ(笑)
そして、今おっしゃっていただいたのって動物ばっかりなのですが、 当時から動物を描いていたのですね。何か特別な思い入れがあるのでしょうか?

特にきっかけが思いつかないので生まれつき好きなのかもしれません(笑)
が、思い起こすと動物園に連れて行ってもらったり、動物ドキュメンタリーを見たり、 動物図鑑を買ってもらったりというシーンが浮かんでくるので、親が興味を伸ばしてくれたのかなと思います。 おかげで小学校にあがってからは、動物より美男で美女な生き物はいないと本気で思い、 全盛期のキムタクもセーラームーン旋風も難なくスルーするというちょっと変わった境地に至りました。 思い入れというよりは、描いていて一番自分が自由になれるのが動物だったんだと思います。 動物は描きたい意思をそのまま反映させられるんですが、人間を描こうと思うとまずどういう服を…とかがまったく思いつかないんですよね(笑)

――流行りに影響されずにものごとを捉える目って、 養おうと思って養えるものではないので、ご両親に感謝しなければですね。あと、一度見てみたいですけどねー。ももろさんならどんな風に人間を描くのか。

そうですね。本当に感謝しています。
感謝といえば、昔ドイツに仕事の関係で5歳までいたことがあって、 そのときに、もうすごく沢山ヨーロッパの有名な絵や建築物を見たらしくて。 ムンクの叫びもモネの睡蓮も。全く自分では覚えていないんですけど、そういうのが深層心理に残っているのかもしれないと思うと、 なかなか得がたいものなので感謝ですねこれも。
ちょうどタイミングよくこの文章を書いているときがCREPOSさんの「女の子」募集ですね(笑)
最初は女の子を動物という風に曲解できないか試みたんですが、 やはり女の子といったら人間の事を指してますよねー^^;ちょっとテーマが無理だから飛ばそうと思ったんですが、 やはり何でもやってみようと思ったので応募します^^ ここに書いたことで自分を後押しします(笑) ちょっと下書きを描いたのですが下書きの時点では動物でした(笑)これから女の子にしていきます♪

――5歳までドイツにいらっしゃったのですね。 しかもそのころのことをまったく覚えてないというところがなかなか体験したくてもできない体験だと思います。 潜在意識にその印象が残っているおかげで、それ以降の記憶とちょうどよい具合に交じり合っているのかなあと。
ちなみに、今回(第24回)のCREPOS SELECTIONテーマが「女の子」なのはたまたまなのですけれどね。 これも何かの縁だと思ってご応募してくださいませ。

有限実行、応募しました(笑)
しかし、人間は難しかったです。眼は口ほどに物を語ると言いますが、 眼が描きたいことと違う感情を盛ってきて意地悪そうになったり。多分人間の顔って、 普段から感情を読み取る手段としてみているだけに、 自分ではコントロールしきれない要素も意図しないところで増えてくるんでしょうね、
かなり繊細な技術が要求されるんだなと感じました。白目の面積とか皺(しわ)ひとつ眉毛の角度ひとつ。
もっと自分の器が大きい人間になったら又チャレンジしようと思います。描いてみてわかりましたが大変なのは服だけじゃなかったです!

――ももろさんのタッチで、動物たちと同じクオリティで人物を描いて、 同じように物語性を持たせてみたらどうなるんだろう…と思っていたので、応募作品を楽しみにさせていただきますね。ご応募ありがとうございました!
イラストレーターになろう!と思ったのは何がきっかけですか?

本気で描いたらどのくらいのものができて、 それはどの位の人に伝わって受け入れてもらえるのかが知りたくなったからです。
今はコンテストに応募しているくらいですが、イラストレーターという肩書きの持つ意味の広さに 最近気づいて、自分はどういう風に絵と付き合っていき、どうなりたいのか改めて考えているところです。 まだぜんぜんイラストレーターにはなりきれてないですが^^;

――「本気で描いたら」って、素敵な心がけですね! そして、本気で描いたからこそいろんな人に見てもらうべきですよ。

人に見せるっていう前提があると言い訳もできなくなるので、本気になれるということを実感しました。 それよりなにより締め切りがあるとモチベーションがまったく違います(笑)

――締め切り、大切ですね(笑)
CREPOSでもコンテストを開催していますし、もっといろんな公募やコンペに挑戦していただきたいなあと思います。

そうですね!CREPOSさんのコンテストでも、 やったことがない方面は出していないのですが楽しそうなのがたくさんあるので、 色々な表現にチャレンジしたいです!本当にCREPOSさんに参加したことで、いろいろ新しい世界に目が開けて来て毎日わくわくしています。
他でも調べるたびにたくさんの公募があるのを知って、出したいな出したいな、と思っています。 落ちても出すためにつけたガッツは無駄にならず、次に生かせると思うので。 今は実績が全然ないので、そう言ったところで力を付けていきたいなぁと思っています。

制作するときは、何を使用していますか?

Photoshop7.0です。お絵かき掲示板もたまに使いますが全てパソコンです。

――ももろさんの作風は、 過去に絵の具でちゃんとした絵を描いたような作風だと思っていましたが、昔からパソコンを使って絵を描いているのでしょうか?

中3で愛犬サイトを作っていた時はもうパソコンでした。 ペイントを使ってました。でも中高、大学と一応(笑) 美術部に所属してきたので半分ずつやってきた感じではあります。
ただキャンバスが模造紙とかベニヤ板という風に大きかったので、 絵具というよりは主にペンキや木炭、手(笑)のような大振りな画材が中心でした。
まともに油絵を描いたのは授業でゴッホのひまわりの模写をやった1回くらいです。ハードルが高かったです(笑)

――なるほど。ではパソコンで絵を描きながら 美術部でも絵の具を使って描いていらっしゃったんですね。しかも大きい絵を描いていたのですね。
一度ももろさんの描いた大きい絵が見てみたいなあと思っているのですが、 空間の使い方が小さいサイズのものではなく明らかに大きいサイズのものなので、 CREPOS SELECTIONなどにご応募いただいている作品も、大きいキャンバスで見たら今よりももっとよく見えるのだろうなあと思いますよ。
それにしても油絵でゴッホみたいに塗った日には、乾くのにものすごい時間がかかりそうな気がするんですが…(笑)

学生でなくなってからはそういった大きなものを描く機会がなくなってしまったんですが、 いつかまた描きたいな、というのは1つ目標としてあります。小さく描けないので実は応募しているものも大きいサイズで描いて縮小しています。
ただ縮小しすぎると雰囲気も変わってきますのでほどほどにタッチが残る程度の 大きさからの縮小にしないといけないので、そのサイズも対CREPOSさん用に検討中です(笑)
HPでは大きいものも公開していますが、CREPOSさんでも大きいサイズのコンテストもあったら嬉しいです^^
ゴッホはですね、油絵の具を大量に使ってますから本当はそこまでやらないと 模写にはならないんですけど、初めての油絵の具を沢山使うのがもったいないと思い、 少量の絵の具で描いたため、まるで違う作品に…、ケチっちゃいけないですね、こういうところは。そのときこの根性が油絵に向いてないと思いました(笑)
奥深いと思うので又いつか挑戦はしてみたいです。

――そうですね。単純に拡大・縮小しただけだと、間(ま)も違うので、見え方も変わってしまいますからねー。
CREPOSでは昨年(2009年)の春先に「壁紙カレンダーコンテスト」というのを行っていたのですけれど…。また開催した際はぜひご参加くださいませ。
ちなみに本気でゴッホみたいに油絵の具を厚塗りすると、乾くのに数か月かかりそうな気がします。根気がいりますね(笑)

過去さかのぼっていくと年賀コンテストがあったりとCREPOSさんは 楽しそうなコンテストを多く開催されていて、もっと早くから参加したかったなと思っていました。開催楽しみにしています!!
もうゴッホの作品は油絵の具の立体作品というか、絵の具の盛り具合もすごいですよね。 数日では、表面だけ乾いたように見えても中はぶよぶよだと思います。塗るというより盛る…。 弟さんにお金を借りていたという話もなんだか納得します(笑)

制作するときに心がけている、気をつけているところはどこですか?

パソコンでは、かなわないながら、なるべく手描きの予測不能なスキ、 荒さとか汚さを作るというよりは残すようにしています。なので間違ってもあまり消さないです。
心はこめて描くけれども、なでなでしすぎて均質にならないようにしています。 性格が雑なので自然にそうなっているっていう話でもありますが(笑)
私は完璧じゃないゆるさに温かみを感じるので^^ ただ雑に見えすぎないようにきっちり描くところは描いて緩急をつけています。
中身としては、あるテーマがあったらなるべく「こうくるだろうな」と思うのとは 違う方向を探すようにしています。普通になさそうなほうが、描いてみたらどうなるんだろう!? という好奇心もあって自分が飽きないんですよね。とはいえ、なさすぎて伝わらないことが多いのでそこは課題です。
CREPOSさんで賞をいただいたとき、違った視点を持つことについてコメントをいただけて、それが本当にうれしくて。 なのでそこは注意しつつ大事にしていきたいと思っています。

――ああ、わかりますよ。 丁寧もすぎると退屈になってしまいますので、たまたま「汚さ」という言葉を使われましたが、 「意図して汚した汚さ」なのか「意図せずして汚れた汚さ」なのかの違いは、とても大きいと思います。
あと、テーマの解釈の方法は個性が出ますよねー!あえて変化球で 勝負する場合は、おっしゃる通りせっかく練りに練ったアイデアも 見る人に伝わらなければ悲しいので、いかに伝えるかが重要な課題になると思います。
今回「CREPOS SELECTION(テーマ:クリスマス)」で最優秀賞に選定させていただいた作品は、 クリスマス→パーティー→冷蔵庫、という流れが自然で、その中で行われるひそかなパーティーに思わず微笑んでしまいました。

本当にその通りです!見る人がいてこそなんですけども、
変化球を投げるという事にこだわり過ぎている所もあって見る人が二の次だったりするので、 最近は人の意見を聞いて反映させるようにしています。あとはコンペに出すと同じテーマで どういう風に皆さんがアプローチしているのか分かって、それが本当に勉強になります。
出したいことと意図に沿うことのさじ加減、プロの方はそれができていて作風も確立されていてすごいなと思います。
よく引き算が大切ということを耳にするのですが、10の絵を5(自分の主張)と5(テーマ意図+伝える努力)で描く場合、 もっと自分の主張の方から引く事も大切だなぁと思います。描きたいことを詰め込んだしわ寄せがいつも大き過ぎて人に伝わらないので^^;

――ん~、専門の人じゃない限り深いところまでは見てくれないということを 前提にお話すると、変化球だったとしてもある程度のわかりやすさは、やっぱり必要なんだと思います。
それをももろさんのおっしゃる「自分の主張」と 「テーマ意図+伝える努力」にあてはめてみるなら、5:5でちょうどよいのではないかなあと。
でも肝心なのは、足してちょうど10になることで、そのバランスがたとえば7:5になったりして 詰め込みすぎた分には引き算する必要があります。確かにそのさじ加減がすごく難しいところなんですよね…。

7:5すごく良くわかります!賞をいただいたときのコメント 「全体が同じような強さ」がすごく当てはまる気がします。身近な人にも、 以前アドバイスいただいた方からも「一生懸命描いているのはわかるけど どこが焦点なのかわかりづらい」といわれて…、描きたい気持ちが一つ一つに集中して全体を見ていなくて…。
なるほど、きっと主張が7になっていたんでしょうね。あと2引くために、 出来上がった後に全体を再確認してこれだけは伝えたい、 というところ以外の引けるところを探す姿勢を大事にしようと思います! やはり最後は人に何かが伝わってほしいなと思いながら描いているので。

――確かに「全体が同じような強さ」とコメントさせていただきましたね(笑)
イラスト的な観点から見れば、ももろさんの絵のよさは描き込みの多さにあると思いますので、 たとえば大きさの大小だったり色の濃淡だったりで強弱をつけることができると思います。 そんなエッセンスを効かせつつ、一枚の絵として今よりももっと洗練されていくのを楽しみにしています。

あのコメントは大事にして、いつも絵を描くときに最近は注意している事項です。見抜かれてますね…。
本当に描き込みが多く、余白があると不安になってなんだかんだ描いてしまうんです。
もっと見てもらう人の想像の余地、余白を取れるようにしたいです。
大小、確かにそうですね!気をつけてみます。一匹一匹、でなく一枚の絵としてみてもらえるような絵、頑張りたいです!
もっと風景で魅せる絵、というのもチャレンジしたいと思っています。

どんな時にアイデアが浮かびますか?

夢って、その人の経験が融合して夢という形となって出てくる、 と聞きますがそんな感じです。大体絵と関係ないことをしているときに 、いろんなことがぴぴぴっと一貫して関連性が見えてきて繋がって絵になる感じです。 おお?そこ繋がるのか!じゃあこれも…つながる!という感じでそうなるとするするっと出てくるんですが、それまでの待ちが辛いです^^;
最近どれだけ絵以外のところに興味を向けて取り込めるかが大切だなと思っています。 後は、描いている時思ったストーリーで動物がこうは動かないんじゃない?とかこういう表情はしないだろうと思ったときは、 動物のほうから逆算していって結果的に元々考えていたアイデアが変わることが多いです。 あまり動物にかわいこぶったりとか無理な命令はしないようにしています(笑)
とはいえ、ブラックユーモアもよく入れるため、見た後味は良いよう明るく描いているんですがそれと可愛く描くことのバランスが難しいです。

――ぼくも、絵以外のところに興味を持つって、 とても大切なことだと思います。描くのは結局その人本人なので、 どれだけ絵以外のことを知っているかとか、どんなことを経験してきたかとか、 そういうことが重要になってきます。そしてそれを補うのが絵を描く上での資料だと思っています。

そうですよね!資料も大切ですけどやはり経験ですよね…。 絵を見て、その絵を描いた人の文章を読むと、やはり深みのある絵を描かれる方はいろいろ知ってるな~、 とか日常のちょっとしたブログでも着眼点が違うなと感心します。
昔は作風が全く違う人の絵って意図が分からなくて、 ブックマークもすごく自分と同系統に偏っていたのですが、 たとえばインタビューなどを読むと、 それぞれ表現したい思いとか描くに至った背景が色々あって、 それが集積してこういう形になるのか、と今更ながら色々なタイプの絵を好きになりました。 本当に絵って各人の気持ちの形だなと思います。
真剣に描けば描くほど何も自分は知らないな~と痛感しまして、 最近は外へ外へもっと出て色々なものをもっともっと見ないと、 と重い腰を軽量化中です♪絵に関しても美術館くらいしか行っていなかったので、 好きな人の展示にもどんどん行ってみたいと思います。

――ですねー。ぼくもCREPOSを通じていろんなクリエーター様に インタビューをさせていただいていますが、質問するときはできるだけその人の人となりを掘り下げたいなあと思っていました。 技術はいかようにも身につけられますが、着眼点やテーマの解釈の仕方にはその人なりの個性が出ると思うんですよね。 そんな視点で他の方の作品だったり、名画と呼ばれる作品をみると、また見方が変わってすごく面白いですよ。

そうですね。私もスタンスを変えようと思ったとき、自分が思ったことをそのまま出して個性にしようと考えました。
普通のモチーフを描いていたときもあったんですが、うまい人は本当に沢山いるので、 そういった中で自分らしさを出すとしたらタッチよりもまず自分がどういう思考をするかというのを出して、 そこから題材選びをすることなのかなと思って。完璧に思う通りのアイデアはできていませんが方針はわかってきたので、 次はもっと技術面を磨いていきたいなと思っています。勉強する事は山ほどあります^^; 音楽もそうですけど、その作品が作られた歴史背景などを勉強すると、曲の解釈が全く変わってくるといいますよね。 昔はそんなことは判らなくても、目の前にあるものだけを判断すればいいんじゃないかと思っていたんですけど、 背景を知ることで確実に見えてなかったものが見えてくるなぁと思うようになりました。
最近はネットも発達して、いろんな人の考えがブログなりで簡単に知ることができますので、 そういったツールも使って人となりも含めもっと作品に迫ってみようと思っています。 私的な感想ですが、2年冬眠していた間にTwitterなどコミュニケーションサービスがすごく発達したなぁと思いました。
今まではHP名で絵を認識していたんですが、言葉一つ一つ、絵一つ一つが独立して人目に触れるようになったせいか、 最近はHPにとらわれず作家さんの名前で絵を認識できている気がします。 絵を載せてくれるサイトも昔はあまりなかった気がするんですが、今はHP以外でも公開したり気軽に参加できる コンペもあるしコミュニケーションしやすい状態になっていて、戸惑いつつもありがたいなぁと思うこの頃です。 以前よりもみんなが描いている、というのがより身近に感じられるので自分も描こう、というモチベーションはかなり高く保てています。皆さんに感謝です。

――なるほど。歴史や背景が音楽や絵といった文化を生むのと同じように、 その人が育ってきた環境や学んできたことから生み出すものがあると思います。 自分を知るっていうと大げさなのですが、自分は何が好きなのか、 自分は何ができるのかを知るだけでも自身に根付いた作品ができあがるのではないかなあと思います。
ちなみにTwitterはぼくも個人でひそかに登録していますが、 いろいろな人のつぶやきを読んでいるとその人の考え方だったりが読み取れておもしろいですね。 同じ絵描きさんだと身近に感じられるので、刺激になるのではないかなあと思います。

確かに自分を知るのは大切ですね。 就職活動で癖づいた自己分析がいまさらながら大事だなと思っています。 自分がなぜこういうことを考えるのかなとか考えたり、なぜこういう絵を描きたがるのかとか、 どういう絵に感銘を受けるのかとか、そんなことを考えているうちに方針が決まってきました。 そんなことをHPでだだもらせているので、若干人がついてこれない感じにはなっていますが。 そうですね。ほかの方の思いを読めるというのはいくつもブレーンがあるようで新しい発想に気づけたりします。

これから描いていきたいと思うものはありますか?

エコに関心があるので、動物を描いているしそういった方向のものを描いていきたいです。 その中で自分の世界観ができたらなと思います。

――動物=自然なので、エコはよいかもしれませんね。 皮肉的な部分を織り混ぜれば、おもしろいのではないかなあと思います!

皮肉面白いですよね!真っ向からの批判ではなく、 本当にそれでいいの?という疑問を投げかけ、 ちょっと泳がしつつでも私はこう思う、という控えめな意見もそっとそばに置いておく感じが好きです。 あまり真剣に重くならず笑いながら見れる、ウィットの効いたものが描けたら最高だなと思います!!

――そうですそうです!ものすごく見てみたいです!!

おおうまいこと言うねぇ、とにやりとしてもらえたら少しは心に残るかもしれなくて、 そうすれば少しでも自然に貢献できるかなと思うと、普通の絵を描くよりも意気込みを感じてしまいます。 そんな絶妙なセンスはなかなか見つからないかもしれませんが、沢山描いていく中で模索したいと思います!
実際CREPOSさんに出すものにも、エコと言われていなくても勝手に盛り込んで行っています^^

この仕事をやっていて良かったと思うことはありますか?

絵を描いていて思うのは喋ると書く以外に、 抵抗なく描くという手段を持てたのは、すごく良かったなと思います。 そういう直接じゃない手段で、人に文では表せられないけど言いたい、みたいなもやっとした思いが伝わったときは本当に嬉しいです。
仕事はタイミングが合わずまだ受けられていないのですが、 今後お仕事をさせていただいたら自分も相手も良かったと思えるよう全力で取り組みたいとは思っています。

――なるほど、深いですね。絵は、視覚に訴えるものなので、時として言葉以上に語ってくれます。 お仕事は、これからご依頼があった場合は、ぜひ自分も相手もよかったと思えるように取り組んでくださいね。

とても説明的な絵になりがちなので、 もっと視覚や心で面白いなーと感じてもらえる「感じる絵」も描いていきたいと思います。 はい、お仕事頑張りたいと思います!

辛いと思ったことはありますか?

一時期早く沢山描かなくてはと量にとらわれていて、結果的に内容の薄いものばかり描いてしまい、 自分は何がしたいんだろうと悩みました。でも10の力があったら1のものを 10作らず10のものを1つ作ろうと決めまして、心行くまで描くようになって最近は辛い事は全くないです。
ただ手法に慣れてくるとどんどん製作日数が短縮されるのが悩みではあります。
CREPOSさん等から出していただいたテーマに頭をひねって挑んでいくのが楽しくてしょうがないです。普通だったら自分は描かないだろうテーマもかけますし^^

――あー、では納得がいくまで描けているのですね。
手法に慣れてきて制作日数が短縮されるのはよいことだと思うんですけれど、試行錯誤する楽しさみたいなものは失われてしまいますね。
あと、テーマを元にして描くって楽しいですよね!もちろん描きやすい描きにくいはありますが、 「どうやって表現しよう」と考えている間がとても楽しいと思います。

そうですね、その時間は本当に楽しいです。 自分の描きたいものを描くとその試行錯誤の時間がかなり短縮されてしまうんですよね。
描きたいストーリーと場面はできて、あとはどう切りとってどこからその場面を見るかというのを決める所に、 一番時間がかかります。あーでもないこーでもない、とノートに色々な方向からの図を描いてみて、 どうしたら自分の描きたい要素が違和感なく画面に全部収まりかつ伝わるのか、常に四苦八苦しています。 どうしても描けないと思ったら妥協している部分もあるので、そういう時構図の勉強は本当にしなくてはならないと切実に思います。

――確かに。描きやすい絵は誰にでもあって、ついついそればっかり描いてしまうと、 そればっかり慣れちゃってしまうんですよね。
また、「どう切りとってどこからその場面を見るか」って なんだか写真的な手法で、撮影する前に自分の足で全景を見ることができればやりやすいのかもしれませんが、それを絵で行おうとするともう全部想像の世界じゃないですか。 ノートに描くラフの量がものすごいことになるんじゃないですか??

幸い色々コンペに参加しお題をいただいているので、むしろ描きやすいものが描けず鍛錬になるので大変ありがたいです(笑)
ラフは多いときは多いです。先ほども書いたようにわたしの絵はとても説明的で、 絵に入ってくる要素でこれは出しておかないと説明が繋がらないということが常なので、 最低限これだけは入れないと、というものを全部入れるとなると(顔は見えていてほしいけどその人が見ている対象物も 見えてないと困る→俯瞰でといった具合で構図が後付です)頭の中だけでは足りないです。たぶん人が見るとぜんぜんラフ描く必要ないシンプルな構図ででも(笑)
あと連続した動作のどのポイントで切れば、その動作が何をしているところなのかを一番理解してもらえるか考えています。 なので連続動作のラフも描くし、絵を描いている最中でもその子がどういう性格で、 どう動くかより自分が理解できてひらめいたりとか、 動作がよりわかりやすい時点を思いつけば描き足して動かしていたりします。たぶん当たり前のことなんですけど^^;

――なんでしょう、描きたいものと見せたいものがピタっと合ったときに気持ちよさそうですね。そこまでたどり着くのに試行錯誤すればするほどに。

本当に気持ちいいです^^
そういうパーツのめぐり合わせも、自分の意図を超えた思いがけないところからぽんと飛び出してきます。 なので逆に思いつかなかっただろういくつものパターン、よりよいパターンもあるんだろうなぁと思うと、 個人が考え付ける量の限界があるわけでそういうものの存在も感じて怖くなったりします。できるだけこれは色々経験していくしかないんでしょうね。

――あと、ひとつの動作に対してそこまで考えられていると、 描かれている動物だったりがカメラ目線的な絵になるのではなく、より客観的な、 ドキュメンタリーみたいな絵になるので個人的にはすごくよいのではないかなあと思います。

そうですか!ではもっとこういう感じでやっていこうかと思います。 ドキュメンタリーみたいだからなのかは判らないですが、カメラに映らない部分にも色々要素が発生してきて、 どれを入れるかにいつも悩んでしまいます。なるべく最小限にはするんですが。シンプルな要素で色々考えられる絵を描きたいです。
シンプルといえば、シルエットの美しい絵などに最近とても興味があります。 目標はジャガーとチーターとヒョウとピューマを模様に頼らず描き分けられるような感じで、形を大事にした絵を描いていきたいです。

影響を受けたり、尊敬しているイラストレーターやデザイナーは?

ガブリエル・バンサン、ミヒャエル・ゾーヴァにはとても影響を受けています。 バンサンは素描ですごく魅せられました。鉛筆からほとばしる線の躍動感が好きです。 どうしても手元におきたい2冊で「あの夏」と「アンジュール-ある犬の物語」を買ったんですが宝物です。 ゾーヴァは陽気なシニカル、遊びがとても好きです。それでいて見ごたえのある絵画として成立していてすごい、と思います。
あとはクレア・ターレー・ニューベリーからはあたたかみを。 イラストレーターではひろせたくろうさんからはタッチ、フジモトマサルさんにはシンプルながらなんだかぞわぞわする感じを中学くらいから影響を受けています。

――不勉強なものでガブリエル・バンサンを存じ上げなかったので検索してみたのですが、 ピーターラビットのビアトリクス・ポターを思い出しました。それにしても、影響を受けている作家さんを見ていると、 ももろさんの現在の作風に、ちゃんとつながっているのがわかります。そういうのって、とても素敵だなあと思います。

ガブリエル・バンサンについては素描であれだけみせるってすごいなぁと思います。 ラフが作品になるって究極だな、と思ったりもしています。宮崎駿さんの絵も好きなのですが特にラフが好きです。 ラフって絵の中の芯というかカバーをかける前のエンジンというかむき出しの力強さ、 生命力が秘められている気がするんです。私が手描き感、重量や骨格を大事にしたいと思うのはその辺の影響なのかもしれないです。

――確かに、ちゃんと描けている人のラフってそのまま作品としても耐えられますね。
何よりラフ自体に力があって、存在感があるんですよね。
そんなぼくも宮崎駿さんのナウシカの水彩画集と魔女の宅急便の設定画集を持っていますが、あの鉛筆の悟ったような線がたまらないです。

私も持ってます!画集はハウルまでは全部(笑) 絵コンテも買いたいなーと思っています。やはり宮崎駿さんの思うそのままが描かれていると思うので。 高くてなかなか手が出ないんですが。迷いなく勢いのある線で、これが絵を動かして命を入れる人のラフか…と昔から感動しっぱなしです。 やはり動くことを想定して描かれている絵は静止画だろうと命を感じます。少しでもそんなものが描けたらいいなと思います。 お話していて久々に見返してみようと思いました^^

――ももろさん、ハウルまで全部持っているなんて相当お好きなのですね。 あれ、けっこうよい値段なので、ぼくは自分の本当に好きな作品のしか持っていないです(笑)
しかし宮崎駿さんの絵コンテはものすごいですよね!ちゃんと描いているんですよね。 ちゃんと描いているっていうと言葉足らずなので補足しますけれども、 そのままペン入れできるようなテンションで、そして明らかにそれが動くことを見越して描いている。 だから鉛筆でささっと描かれたようなラフでも、表情だったりしぐさだったりが生きているんですよね。ぼくも見返してみたくなりました。

好きです(笑)ただ大部分は古本屋をあちこち見て回ってこつこつ手に入れました。 そもそも絵が趣味で、学生のころは他の出費が食べ物くらいしかなかったので結構そっちにまわしていました。 もののけ姫ができるまでを追ったドキュメントビデオがあるんですが、それを見るとコンテのセリフ、 タイミング、場面設定とか動きが殆ど変わっていなくてそのまま映画になっているのが本当にすごくてラフが生きているのは納得でした。 頭の中をあれだけ起こせるのが本当にすごいです。

ペンネームの由来を教えてください。

自分の名前と飼っていた犬(もも)と弟との一文字ずつ合わせて中学くらいのときに作った アカウントがそのままペンネームになっています。

――では中学生から「ももろ」さんのお名前を使用されているのですね。

そうですね。愛犬のホームページを作ったときからだったと思います。 全部母音に「お」が入っていて口の中でころころするので割と気に入っています。

――言われて発音してみましたが、舌がころころする「ろ」が素敵ですね!

あ、それは弟の一字です(笑)

これからの夢、目標を教えてください。

ずっと何らかの形で絵にかかわり、さらに何か人の役に立てることができたら言う事ないです。

――そうですね。続けていくことが大切なのだと思います。

あまり周りに流されず焦らず、軸をぶらさないようにすることをまず優先して気長に続けていきたいと思います。つい焦ってしまう性質で。

最近のマイブームは何ですか?

バードウォッチングにたまに連れて行ってもらうんですが大変興奮します。 意外と鳥ってテレビくらいでしかちゃんと見ていないので。身近に色々いるんだなぁと。

――山などに行かれたりするのでしょうか?そんなに身近でいろいろな鳥が見れるなんて、とてもおもしろそうですね!

私もまだあまり行ってないのですが、結構住宅の傍の川にカワセミがいて魚を取っているところが見れたりして興奮しますね。 まず自然では個人で見ることができない鳥だと思っていたので。本当にダイブするんだ!?って(笑)あとは湘南海岸を自転車でずっと 走ってカモメを見たり江ノ島に行ったりしました。 プロだと飛び方と鳴き方で種類もわかるらしいんですが、私は「あ、鳥だ」とか「え?いた?」みたいな感じで全部お膳立てされて見れているだけなので、 まだまだ奥が深そうです。

――カワセミ!!渓流とかにしかいなさそうなイメージなのですが。 ダイブするところ、ぼくも見てみたいです!海だとカモメももちろんですが、カモメの仲間のウミネコだったりもミャアミャアとかわいいですね。 一度プロの方に連れていってみたいです。

やはりプロの人と行くのが一番いいですよね。 もう捉える目が違うみたいです。普通に歩いて人と話していても、普通の人が気づかない鳥影であったり鳴き声に気づいてあらぬ方向を見るので 不審がられるといっていました(笑)野生型と混血のものもあったりするらしいですがもはや一般人には絶対に同じにしか見えないそうで…。

これからイラストレーターになりたい人へ、アドバイスをどうぞ。

本当に駆け出し中の駆け出しなので全部自分に向けてになってしまいますが^^;
あまり自分に言い訳しないことです。納得のいく絵が描けない理由を作るのではなく、 納得するまでまずやる、考えている暇があったら手を動かせって言うのは本当にそうだと思います。 なので自分のできる範囲の事は全部やってみようと思っています。
あとは周りと比べだして落ち込んでもしょうがないので、いい影響は受けつつも流されず自分の描きたいものを信じて、 持っている物を伸ばしていけばいいのかなと思います。
どうも持っていないものに気づいてはあせりを感じてしまうのですが、全ての素敵要素を手に入れるのは難しいですしね><

――ありがとうございます!出来ないことを補うより出来ることを伸ばす方がよいとぼくも思います。 きっと、訓練すればある程度はこなせるようになるかもしれませんが、 それってもともと出来ている人からくらべるとやっぱり及ばないと思うんですよね。 ソフトの使い方だったりは覚えるしかないので仕方ありませんが、そうじゃない部分、 たとえばまったく違うタッチの絵を描こうとするのは単なるないものねだりなので、そこはもうひたすら描きまくって、 自分は何ができるかというところを自分自身で理解するのが一番かなあと思います。

どうも気持ちがふらふらしてしまって、よく自分の持っている物が一つも分からなくなってしまうんですけど、 そう言っていただけてより意思が固まりました!ありがとうございます!
自分を理解して自分を動かすのは、結局のところ自分でしかないなと最近気づきました。 全く違う所に一足飛びに行こうとするのではなく、今あるところからゆっくり四方八方を見ながらじわじわと進んでいくのが良さそうですね。 少しずつでもいいから常に止まらずに昨日より成長を感じる毎日でありたいです! どの手法も制限なく手を出すことができるのが絵のいいところなので、 安定しそうになったらすぐ未知でも気持ちが向く方に向かっていきたいなぁと思います。

From Staff

ももろさんへのインタビューでした。
長~いインタビューになりましたが、お話をうかがってあらためて作品を見てみると、とても純粋なのだなと感じました。動物たちの表情やしぐさ・動きに、イラストならではわざとらしさがないのですね。
だけどその自然な様子を絵にするのに、たくさんのことを考えて、試して、形にしている。これ、やろうと思ってもできないことですよ。本当にすごいと思います。

そして、これだけ語ることができるというのは、並大抵のことではありません。他人に理屈を説明できるということは、自身でそれを理解しているということです。自身でそれを理解しているということは、軸がぶれないということです。

そんなももろさん自身の「絵」の目指すところはまだまだ先にあるようですが、このままゆっくりでも確実に歩んでいけば、いつの日にかちゃんとたどり着くことができるでしょう。そんな、いつの日にかに描いたももろさんの絵を、ぼくは見てみたいなあと思いました。(中尾)

Works

※画像クリックで拡大表示。

「裏方的クリスマス」
第21回CREPOS SELECTION
最優秀賞

「泡雪」
第23回CREPOS SELECTION
優秀賞

 

「ただそれだけ」
第22回CREPOS SELECTION
優秀賞

 

「氷の溶ける音がする」

「わたしはうさぎ」

「みんなちがってみんないい」

「HOP STEP 2010」

「ほっと一息2010」

「そこにいないもの」

「迷子と後ろめたい船員」

USING TOOLS

Photoshop7.0

Recommended BOOKS

キッチン / 吉本ばなな
天然記念物の動物たち / 畑 正憲
竜は眠る / 宮部みゆき
愛深き淵より / 星野富弘

Recommended MUSICS

BUMP OF CHICKEN
熊木杏里
フォルクローレ

Recommended MOVIES

BIG FISH
天空の城ラピュタ
ヤングマスター師弟出馬
STARWARS

Profile

ももろ
大学生
URL:http://cowrest.web.fc2.com/



100%の動物絵描きです。ずっしりとした量感と清潔感がない泥くさい感じを大切にしています。
動物が好きで好きで好きですが、さらっと見て可愛いだけでなく、 動物の特徴から思いつく少々ブラックなユーモアを織り込んで描いています。 いろいろなテイストに挑戦して自分の描き方を見つけようとしている最中です。 今現在絵を描くのが楽しくて仕方ないです。